小児がんにおける悪性リンパ腫の実態と治療方法

小さな子どもの体を蝕む病気
-悪性リンパ腫と向き合う-

小児がんの種類とその割合

小児がんの種類

小児がんの種類

小児がんの割合

円グラフ

小児に発生する様々ながんを総称して、小児がんと呼びます。上記グラフのように割り合いも変わってきます。特定の部分ではなく、腫瘍は全身に発生するので細かく分けられています。また、悪性リンパ腫も上位を占めているひとつとなります。がんの種類によって治療法が異なってきますし、発生する場所によっても変わってきます。

小児がんの割合

棒グラフ

これまでの小児がんは不治の病を言われていましたが、医療技術の発達もあり治癒率は向上している傾向にあります。がんの増殖スピードが早いことに加え、発見が難しいとされてはいますが、化学療法や放射線療法の効果は高い特徴があります。成人に比べ生存率も多いとされており、適切な治療を選択することが大切になります。※小児がんの生存率は高いことを踏まえつつ、正しい治療を選択することが必要であることを記載。

悪性リンパ腫を知る
-悪性リンパ腫と向き合う-

医者と子供

現代の技術をもってしても、悪性リンパ腫が発症する原因は解明されてはいません。ウィルスや免疫不全が原因と
なる説が存在しています。通常はリンパ組織から発生するものとなりますが、全身に転移する可能性があるので注
意が必要です

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悪性リンパ腫について教えて? 

医者アバター

リンパ組織から発生するがんとなり、全身に転移の可能性があります。ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の2種類に分かれています。国内では非ホジキンリンパ腫がほとんどとなり、発病は3~10歳が過半数を占めています。女児に比べると男児の発病率が高く、症状は腫瘍できる場所によって変わってきます。

ホジキンリンパ腫(HL)
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自覚症状はどのようなものがあるの?

医者アバター

初期は痛みをともなわないしこりができます。主に首や脇の下、足のつけ
根などにあるリンパ節から発生します。やがて臓器が圧迫され、腹痛が起
こることもあります。進行によって症状は変わってきますが、発熱や寝汗
を大量にかいたり、体重が減少したり、全身に症状が見られるようになる
ので注意が必要です。

基本的な悪性リンパ腫の治療方法 

治療方法を決めるには、まず病理診断からのスタートになります。病巣の組織の一部や、全体を手術して調べる方法になります。病型が分類された後に、どれくらい進行しているのかをステージで表します。よって効果のある治療内容が決定されます。

リンパ腫が、リンパ節領域またはリンパ組織(扁桃、脾臓、胸腺など)の1ヵ所に限られている状態。もしくは、リンパ外臓器にリンパ腫がある場合でも1ヵ所に限られている状態。

リンパ腫がリンパ節領域に2ヵ所以上あるが、横隔膜を境にして上半身か下半身のどちらかに限られている状態。またはリンパ腫が、リンパ外臓器に1ヵ所あり、リンパ節領域にも1ヵ所以上あるが、横隔膜を境にしてどちらかに限られている状態。

リンパ腫がリンパ節領域に2ヵ所以上、横隔膜を境にして上半身と下半身の両側にある状態。

リンパ腫がリンパ外臓器にも広範に広がっている状態。

HLの治療方法
※標準的化学療法:ABVD療法

HL(ホジキンリンパ腫)は標準的化学療法となるABVD療法で治療に取り組むことになります。治療法はステージによって分類されており、局限型のI期~IIA期は2~4回のコースで化学療法が行なわれます。その次に病変がある部分への放射線治療が併用されることとなり、その時点で90%以上の人が治癒に期待ができると言われています。全身型のIII期~IV期は4~8回のコースで化学療法が継続されます。10年間再発することなく、過半数以上の人が生存できると言われています。治療で体調が良くなったとしても、数ヶ月や数年後など、一定の時間が経過した後に抗がん剤の副作用が現れることがあります。そのため、治療が完了しても、定期的に病院での受診や検査を怠らないことが大切です。

治療スケジュール

ABVD療法では、4種類の抗がん剤を組み合わせた治療が行われます。下記にあるスケジュールがもとになり、基本的に4週間ごとに繰り返す治療となります。病期の進行や効果の状況によって、どれくらいのサイクルになるのかが変わってきます。

NHLの治療方法
※標準的化学療法:CHOP療法

NHL(非ホジキンリンパ腫)は標準的化学療法となるCHOP療法で治療に取り組むことになります。HL(ホジキンリンパ腫)と同じように、局限型のI期~II期は3~4回のコースでの化学療法が行われます。その次に病変がある部分への放射腺治療になるのが一般的になります。長期生存は70%以上の症例が報告されています。全身型のIII期~IV期になると、より強い化学療法に取り組むことになります。60~80%の割り合いで症状の改善に期待ができ、状態の安定が2年以上継続できた場合は長期生存率も上がると言われています。治療が完了した後に再発した場合は、子どもの体調に配慮して治療やケアを進めていくことになります。再発したときでも慌てないように、定期的な通院が大切です。

治療スケジュール

CHOP療法では3種類の抗がん剤に、副腎皮質ホルモンを組み合わせた治療が行われます。下記スケジュールがもとになり、基本的に3週間ごとの治療となります。病期の進行状況によって何サイクルになるかが変わります。また、プレドニゾロンの服用方法が異なる場合や、患者さんの状態によって変更になる場合があります。抗がん剤による副作用の症状が現れたら、担当医師に相談が必要になります。

まとめ

病型や、病期(ステージ)によって治療方法が分類されており、病状の状態によって治療のサイクルが決められています。AVBD療法やCHOP療法などの化学療法で治療を進めることになりますが、耐性が生まれたり、再発したりするケースもあります。そのような場合は、大量化学療法と自家造血幹細胞移植を併用した治療が適応されることがあります。治療が完了した後も、体調の変化や状態を常に確認することが大切になります。少しでも異常なサインがあれば、すぐに病院で診てもらうようにしましょう。